1月16日(火)「チャペル・アワー(学生チャペル)」2

投稿日:2024.02.02  チャペル・アワー

 段中碧月さんと荒牧咲江さんの二人はともにコミュニティ子ども学科の1年生です。二人とも中学時代からソフトボールに取り組み、現在も新島短大ソフトボール部員として活躍中です。今までの長い部活動経験の中には様々な葛藤がありました。それらを乗り越えて今があります。これからの学生生活やその後の人生をどう生きるかについてスポーツマンらしく熱く語ってくれました。                                

【わたしとソフトボール】                                                        

段中碧月さんは、中学時代にエースピッチャーとして活躍していました。しかし、高校進学後にソフトボールを続けるかどうかは大いに悩んだそうです。ソフトボールでは特にピッチャーが重要で、勝敗の7割は投手力で決まるとよく言われます。段中さんも投手をこころざしたときにコーチからそう教えられ、その言葉の意味をよく理解していました。そして、自分がエースなのだというプライドをもって競技に取り組んでいました。しかし、試合は勝つばかりではありません。試合で負けるたびにコーチから投手である自分だけが叱られたり、仲間の部員からも「投手が悪かったから負けた‥」という愚痴が多く聞かれるようになりました。その結果、競技を続けることが嫌になってしまい、高校ではソフトボールをやりたくないと考えていたのでした。高校進学を控えたある日、県内のソフトボール強豪高の関係者から入学の勧誘を受けました。その高校の先輩部員からも「是非一緒にソフトボールをやろう」と声をかけてもらい、そのご家族からも強く入部を薦められました。その熱心さに、一度はあれほど嫌になったソフトボールだったのですが、「自分は本当はまだソフトボールが好きなのだ」と気持ちを奮い立たせました。そして「もう一度ソフトボールをやろう」と決心し、その高校へと進学を決めたのでした。高校に入学して再びソフトボールと向き合ったときに考えたのは、「たとえチームが負けても、敗戦を誰かのせいにはしない」、「結果よりもその過程(プロセス)を重視し、自ら考えて行動する」という事でした。さらに、「自分にはピッチャーが似合うのだ、絶対にエースになるのだ」と自分を信じて、前向きな強い気持ちを持てるように心がけました。高校1年2年の頃は、野手としてプレーしましたが、投手への思いは持ち続けました。そして高校3年の時には、再びエースピッチャーになり、全公式戦に投手として出場を果たしました。段中さんは最後に、『あの時に諦めずにソフトボールを続けてきてよかった。これからの人生でもきっと課題が出てくることがあるだろう、そんな時にも絶対に弱音は吐かない。ソフトボールを通して学び、成長したことを活かして一つ一つ課題を乗り越えて行きたい』とはっきりと語りました。                                          

【わたしとソフトボール】                                                             

荒牧咲江さんは、中学に入学するときには、ソフトボールに取り組むのは中学生までになるだろうと漠然と考えていました。その頃の荒牧さんは、『仲の良い先輩や友人がやっているから』という軽い気持ちでソフトボールに取り組んでいました。監督やコーチに言われたことだけをこなしながら、「なぜこんなに練習をしなければならないのだろう‥」とか、「なぜ私が叱られなければならないのだろう・・」のように嫌々ながら続けていました。ところがある年のこと、上位の大会に出場する事になりました。上位の大会に出場する選手たちは、みな生き生きとしていて、非常に高いレベルのプレーをしていました。そうした選手を目の当たりにして、今までの自分が恥ずかしくなりました、そして「自分もあんな風になりたい、負けたくない、もっとうまくなりたい」という気持ちが湧いてきたのです。今まで嫌々ながら取り組んでいた練習も、目標を持って自ら取り組むと、楽しくワクワクするものに変わりました。自ら前向きに取り組む練習は楽しく、結果もついてきました。試合でも好成績を残せるようになりました。その結果、部活動の成績によりスポーツ推薦入試を経て高校へ入学をしました。高校では1年生からレギュラーとして出場しました。高校でも、中学で取り組んでいたように、自ら考えて練習をし試合に臨みました。ところが、高校の部活動では中学生の時のように簡単にはいきませんでした。人生で初となるスランプでした。考えれば考えるほどうまく出来なくなり、あれほど自信のあったバッティングでも調子を崩してしまいました。そんな時に監督からかけられた言葉があります。それは「お前はいろいろ考えすぎている、今は、基本に返って一つ一つ丁寧にこなして行くことが重要だ」というものでした。思えば私は、「もっと上手くなりたい、試合に勝ちたい」という気持ちが強くなりすぎて、基本を忘れていたのです。それからは、自分のプレーに対して真摯に向き合い、一つ一つの事を忠実にこなすことを心がけました。すると、徐々に調子を取り戻し、その後は調子の波を感じることなくプレーできるようになりました。大学進学にあたり、ソフトボールを続けられる新短を選びました。今私がソフトボールを続ける理由は、純粋にソフトボールを楽しみたいからです。勝ち負けに縛られることなく、自ら進んで楽しみたいと考えています。荒牧さんは、次のように語り締めくくりました。『楽しいと思うことは、人それぞれ違います。人に個性や個人差があるように、ソフトボールへの取り組みも多種多様だと思います。プレーする一人ひとりがそれぞれにおいて楽しいと思えるやり方でやることが正解なのだと思います。私はこれまで学んだ事を活かして、残りのソフトボール人生を楽しんで行きたいと思います』