12月19日(火)「アドベント・チャペルⅣ」
投稿日:2023.12.22
聖書箇所:『旧約聖書、イザヤ書42章1~3節』・『新約聖書、ヨハネによる福音書1章9~10節』
本日は、第四アドベント・チャペルとして実施いたしました。今回は日本キリスト教団前橋教会の牧師である川上盾先生をお招きしました。奨励は「まことのひかり」と題されたものでした。
今はまさにクリスマスシーズン、クリスマスはイエスの誕生を祝うお祭りだというのは誰もが知っています。しかし、聖書のどこを読んでみても、イエスの誕生は12月25日であったという記述はありません。12月下旬、北半球は冬至で昼の時間が最も短く、暗く寒い日が続いています。しかし、冬至のこの日をさかいに、少しずつ日が延びて、春の到来を感じることとなります。クリスマスは、「ひかり」の到来を祝うお祭りです。12月のこの時季に行われていた古代ローマの冬至のお祭りが、救い主誕生のイメージと重なり、クリスマスとして定着していったと考えられています。
私たちは、生活するうえで様々に「のぞみ」を持とうとします。しかしそうした「のぞみ」は、私たちの内部から生まれるもので、時として失われてしまうことがあります。ところが、「ひかり」は外部からもたらされるものです。どんなに暗い夜でも、朝が来れば日がのぼり、あたりを明るく照らします。「ひかり」はすべての人たちに等しく届く、癒しの存在なのです。昨今、様々な場所でクリスマスのイルミネーションが楽しめるようになりました。「点灯式」などで一斉に灯りがともされると、街中は光があふれ、その瞬間は暗闇を忘れてしまいそうです。しかし、イエスの誕生によりこの世にもたれせられた「ひかり」は、たいへん弱々しいものでした。風が吹けば消えてしまう、ろうそくのあかりのような「ひかり」だったのです。この「ひかり」は、華やかな明るさの前では見過ごされてしまうほど弱々しいものでしたから、暗闇を照らし尽くすような大きな力はありません。ひとり一人が守り、次から次へと大切につないでいく弱々しい「ひかり」でした。しかも、この「ひかり」は弱い灯りだったために暗闇と向き合うことになり、より闇の部分を明らかにする力を持っているのです。そして、次から次へとお互いに分かち合うことで、ひとつひとつ着実に増えて行く、暖かな「ひかり」なのです。イエスの生涯は、ご自身の命をさし出してこの世を救うというものでした。まさに、消え入りそうだった「ひかり」を、その身を捧げることによって守ってくださったのです。私たちひとり一人にも、こうして守られた「ひかり」が与えられているのです。そのことを信じて、今年のクリスマスをお祝いしましょう。
川上先生は、随所にスライドを活用して話してくださいました。最後にはご自身のギター伴奏で「小さなキャンドル」という歌で締めくくられました。暗闇の中での希望、神の愛、など第四アドベントとして本来のクリスマスの意味を感じさせる素晴らしいメッセージでした。川上先生ありがとうございました。