7月18日(火)「学生チャペル」を行いました。

投稿日:2023.07.19  チャペル・アワー

聖書箇所は『新約聖書、マルコによる福音書122834節』

本日は「学生チャペル」でした。司会やオルガンの伴奏や前奏・後奏、お祈りや奨励までも学生が担当し、本日の「チャペル」を作り上げてくださいました。奨励者は山田侑奈さん、原アリサさん、永井梨李さんの3名でした。

【人生の選択肢】                                                        CD学科2年生の山田侑奈さんは、高校時代からの「看護師になる」という目標を達成し、医療福祉関係大学の看護学科に特待生として進学しました。しかし、当時はコロナ禍で、リモート授業の毎日でした。大学へ通う機会はもちろん、友人を作ることさえもほとんど出来ませんでした。そうした生活の中、高校時代にはあれほど明確だった目標も、だんだんと曖昧になってしまいました。そしてついには、大学の勉強にも興味を失ってしまい、悩んだ末に大学を退学したのだそうです。その後に様々な学校へ再び進学することを考えたり、就職を考えてハローワークに行ったりもしたそうです。そんな時に、卒業高の先生の話から新島学園短期大学と出会い、進学を決めたのだそうです。新島短大では、学生広報スタッフとして活動したり、資格の勉強に取り組んだりと積極的な活動の毎日になりました。今は、第1志望の企業から内定をいただいているそうです。                                                              山田さんは、最後に以下のように語りました。『私の進路は、言うなれば「回り道」をしたかも知れません。しかし、この経験により、将来への選択肢は、自分が思うよりたくさんある事を知りました。誰でも、いつでも新しい道をスタートすることができるのです。誰にでも「悩み」はあり、その「悩みに向かう」ことは嫌なことです。しかし、悩みに向かい合う経験は、新しい目標への近道となりました。今後も、人生において壁にぶつかるかも知れませんが、新しい可能性を信じて進んでいきたいと思います』                            ご自身の経験を糧として成長する山田さんの姿は、爽やかさと共に強い意志も感じました。実社会へ羽ばたいていこうとする大学の仲間たちへの心強いエールとなったと思います。

 

【試練が訪れた時】                                                        CC学科2年生の原アリサさんは、お母様のアドバイスから得られた経験を語ってくださいました。原さんは、カトリック教会のクリスチャン家庭で育ちました。何か困った事が起こったときには、お母様がいつも味方をしてくださるのだそうです。そのお母様からのアドバイスで最も印象に残っているのは、「神様は乗り越えられない試練は決してお与えにならない」というフレーズだそうです。これは、新約聖書のコリントの信徒への手紙一、第1013節から取られています。                                             原さんは、部活動での失敗や今までの人間関係上のトラブル、昨年度行った保育実数での辛かった経験などを赤裸々に語ってくださいました。それらの中には、自分の弱さを自覚して、反省する姿が見て取れました。それだけでなく、試練の中でも前を向き、成長しようとする姿がありありと感じられました。最後に「これからも、生きて行く上で必ず困難や試練に直面する事となるでしょう。そんな時には、自分なりに一つのチャンスだと受け止め、自分を見つめ直しその反省から得たものを自分の物にしていきたい」と力強く語りました。                    自ら悔い改め成長していこうとする内容は、いかにもキリスト教主義学校らしく、「神様の愛」を感じるお話しでした。

 

【大切な心友】                                                          CC学科1年生の永井梨李さんは、【心友】と心の友という字を使い、親友と呼べる友人についてのお話をしてくれました。永井さんは、ご自身がLGBTQT、トランスジェンダーであることをカミングアウトしました。これは、身体上の性別と自分で意識している性別とが一致していない人格をさす言葉です。近年、こうした内容について語られる機会も増えてきています。しかし、永井さんは今までの人生で理解をされた機会は少なく、周りから妙な目で見られたり、言われなき差別や、いじめを受ける経験はたくさんあったそうです。そのため身体の性にあわせた行動をとろうと、自身を偽ったりしたこともありましたが、吐き気をもよおしてしまうなどやはり限界がありました。それだけでなく、なぜ自分は生まれてきたのかと自らを責める毎日だったそうです。                                            中学時代に勇気を出してカミングアウトし、理解をしてくれる友人が出来たのは大きな喜びでした。その友人とは高校は別々になりましたが、今でも連絡を取り合うほどの仲の【心友・親友】です。高校では、スラックス制服もあるなど 中学時代よりは性差を意識することなく行動でき、すぐに友人も出来たそうです。しかし、せっかく出来た友人関係が壊れてしまうのではないかと、カミングアウトはなかなか出来ませんでした。悩んだ末にカミングアウトをしたときには、『…梨李は梨李だから気にならないよ、話してくれてありがとう、これからもよろしく…』という言葉をもらい、これまで以上に仲が良くなり、まさに【心友・親友】となったそうです。それだけでなく、この心友のおかげで理解者も増えて、多くの人達にカミングアウトする事ができるようにもなったのだそうです。                                    永井さんは、以下のように語りました。『僕は理解してもらったことで生活は変わりました、しかし、どんな世界にも、無理解で批判的な人はいますし、世の中には【理解できない考え方】も間違いなく存在します。そして、多様性の面から考えると、それも一つの考え方なのです。理解できないからといって批判するのは、互いに間違っていると思います。そんな時こそ一人で悩まずに【心友・親友】に相談するのが良いと思います。信頼できる人は身の周りにきっといます。僕は、一人ひとりの個性や多様性が尊重される世の中になるように小さな事からでも取り組んでいきたいです』辛い経験を数多く乗り越えてきた人の【おおいなる優しさ】を感じ、心の暖まる奨励でした。