7月25日(火)「チャペルアワー」

投稿日:2023.07.26  チャペル・アワー

聖書箇所は『新約聖書、ヨハネによる福音書1章14~18節』

本日の奨励は、李元重先生によるもので「人とロゴス(言)」と題されています。ロゴスとは、ギリシア語のlogosが語源と言われ、その本来の意味は「言葉」でありますが、ギリシア哲学の中では、「理性、推論」などを表す言葉として使われました。英単語には、logosを語幹としている言葉が多くあり、logotype(ロゴ)、logic(論理)、catalogue(目録)、psychology(心理学) のようなものがあります。学問はすべて、言葉・言語を経由することで理解をしています。つまり、皆さんの大学生活はこのロゴス(言葉・理論)との出会いと言えるでしょう。                                      同様に人間はそれなりに言葉を使う存在であり、人との出会いも、その人の言葉(ロゴス)を経由して行われます。こうした出会いは人格を伴ったロゴスと言えるでしょう。こうした「出会い」も、常に幸せなものになるとは限りません。ある人の言葉(ロゴス)に真実とまことが欠如していると、その人を信頼することができません。またある人の言葉が自己中心的で、他人に対して攻撃的な場合も、その人との出会いは決して愉快なものにはなりません。                                                      本日読んだ聖書箇所の前の部分、ヨハネによる福音書第1章1節のところには「初めに言(ことば)があった。言(ことば)は神と共にあった。言(ことば)は神であった。…」という聖句が書かれています。その「言(ことば)」とは、肉、つまり普通の体と精神、感情を持っている人間となったイエス・キリストであります。また14節には、その「言(ことば)」には「真理」と「恵み」が満ちていたイエスを目撃し、経験した人々は証言しています。イエスには真理と恵が満ち溢れていたのです。「言葉」は人から人へと伝染します。そして人は言葉によって変容しやすいものです。つまり、どの言葉(ロゴス)により接するかによってわたしたちはその言葉の人格に影響を受けます。真理と恵が溢れる神の言(ロゴス)であるイエスに触れることで、真理と恵が溢れる皆さんの言(ロゴス)を作っていただきたいと願います。                     李先生の奨励らしく、万人に向けられた限りない優しさを感じさせるものでした。春学期の最後を飾るのにふさわしい非常に心に響くメッセージとなりました。