「2023年度『上毛教界月報』を読む会」

投稿日:2024.02.20  NEWS&TOPICS

2024年2月10日(土)、「2023年度『上毛教界月報』を読む会」

新島学園短期大学のG11教室(グレースホール1F)にて、「2023年度『上毛教界月報』を読む会」が行われました。参加者は28名、講師は新島学園短期大学宗教主任、キャリアデザイン学科の李元重准教授でした。教材は、『上毛教界月報』第301号、大正12年(1923年)12月15日号の論壇:「殺(ころ)す勿(なか)れ」。

2023年は関東大震災から100年でもあります。群馬県内でもいくつか関連の行事が行われました。柏木義円は、関東大震災直後に起こった流言飛語による朝鮮人虐殺事件が、単なる偶発的事件として見ることなく、軍隊教育や偏った国家主義教育の悪影響であり、日本社会の生命軽視風潮の表れだと判断しました。人間の尊い命を簡単に奪ったり、捨てたりすることは国民性の大欠陥であると断罪しています。そこから、非戦を唱え、死刑制度の撤廃に励むなど真の平和のために努めるキリスト者の責任だと訴えています。

『上毛教界月報』本来の柏木義円の文体の特徴を意識しながら、少々現代風にアレンジした訳文を作成して実施しました。量的には、『上毛教界月報』の原文で3ページ半ものボリュームがあり、訳文もおよそ100行余りで、6000字ほどの分量になりました。現代語訳がなされているとはいえ、その長さの明治時代の文章を、参加者皆さんにご協力をいただいて輪読いたしました。参加者にはご年配の方が多く、印刷の細かな文字は読みにくいものでしたが、文語調文章の朗読はお手のもので、朗々と読みこなす方が多くいらっしゃいました。研究所の運営委員も舌を巻くほどの見事さでした。

近隣の教会の牧師、同志社校友会の方々も数名が参加されました。新島短大生の参加者もあり、世代を超えて豊かな学びの時となりました。