11月21日(火)「学生チャペル」

投稿日:2023.11.28  チャペル・アワー

聖書箇所は『新約聖書、マタイによる福音書6章25~34節』

本日は「学生チャペル」でした。今回は、聖歌隊の皆さんとともに、司会者を福本光陽さん、祈祷を狩野雪月さん、前奏を吉田あゆ美さん、賛美歌伴奏を高橋岳玖さん、後奏を茂木瑞稀さんが担当して、本日の「学生チャペル」を作り上げてくださいました。奨励者は吉田あゆ美さん、伊藤駿介さん、阪口野花さんの3名でした。それぞれに素晴らしいメッセージが込められた、素敵なチャペルになりました。

 

【多様性を自分ごととして捉える】                                          

CD学科1年生の吉田あゆ美さんは、学校行事の【アジア学院、ボランティアプロジェクト】に参加して学んだことを語りました。アジア学院は、主にアジア諸国からの留学生が、自国でも実現可能な有機農法などを学びます。帰国した後は農業政策におけるリーダーとして活躍する事を目指すための学校です。留学生は様々な国から来ているので、アジア学院での共通語は基本的に英語です。つまり、皆がお互いに母国語以外での言葉でのやり取りになります。吉田さんは、すぐにできることとして皆さんの名前を覚えることと、挨拶をしっかりすることを心がけました。さらに、会話でも意志を伝えようと様々に工夫をこらして、どうにか意志を伝えることが出来るようになりました。吉田さんはこうした経験から、「伝えようという思いがあれば言語を越える事が出来る」と痛感したそうです。最後に、吉田さんは次のように語りました。「日本で暮らす限り、外国の生活事情や食料事情を実感することはほとんどありません。アジア学院での経験がキッカケとなり、様々な国における生活様式や風俗・習慣の違いはもちろん、それぞれの国がかかえる様々な課題がより身近に感じられるようになりました。民族の多様性を学んだことで、他者への理解がより深まりました。諸国の課題とは、その国や地域だけの問題でなく、私たち一人ひとりが直面する課題として捉えるものだと思います。」大学でのフィールドワークを通しての学びの経験がまっすぐに感じられる、学生らしい爽やかなお話しでした。

 

【偉人の精神から学ぶ】                                        

CD学科2年生の伊藤駿介さんは、偉人の人生と自分の行動を照らし合わせ、今後の生き方などについて語りました。伊藤さんは、小さい頃は消極的で、弱気な自分をどうしても好きになれなかったそうです。そんな時に、橋本左内の存在を知りました。橋本左内は、幕末に活躍した福井藩の志士で、15歳で『啓発録』を記しています。啓発録は、橋本左内がいままでの生き方を反省し、その後の生き方の指針として記したといわれる5箇条です。読書好きだった伊藤さんは、この啓発録や伝記を読み、橋本左内を単なる歴史上の人物としてだけでなく、自分と同じような悩みを持った身近な存在であった考えるようになりました。そして、自分の行動を意識的に変えることにチャレンジしてみたのだそうです。その結果、行動を変えることで、自らの気分が変わることに気づきました。今回の学生奨励で話をすることも、自分を変えることの一環で、自らに対してチャレンジする気持ちもあったそうです。伊藤さんは「私はまだ若く、未熟な点も多いです。しかし、橋本左内の啓発録や、新島短大で学んだ多くのことを忘れずに、今後も多くのことに前向きに取り組み、活動していきたいです」と語りました。これから社会に出て行く若者の宣言として、そして、新島短大の後輩に向けての、力強くなおかつとても優しいアドバイスとして心に響くお話でした。

 

【聖書という友】                                           

CC学科1年生の阪口野花さんは、保育実習の経験から得た教訓を、聖書を通して語りました。阪口さんは、中学校・高校をキリスト教主義の中高一貫教育の学校で学びました。中学・高校時代も、何度となく聖書の言葉に励まされたり、背中を押してもらったりした経験があるそうです。今年、ある子ども園に、保育実習に行きました。はじめは何をすれば良いのか分からず、何をするにもうまく行かなかったそうです。園で学ぶ子どもたちとも上手にコミュニケーションが取れず、思い悩んだそうです。そんな時に、本日の聖書の一節 “だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで充分である。” のところが、思い出されたのだそうです。そして聖書を手にして、その箇所を探し出して読んでみると、心が落ち着くのを感じました。翌日は、昨晩の事を思い出すと気が楽になり、いろいろなことに対して落ち着いて取り組むことが出来るようになりました。その結果、あれほどうまく行かずに悩んでいた実習に対しても、積極的に取り組めたのだそうです。そして中学・高校時代の先生の言葉を思い出しました、それは「高校を卒業して、日常的に聖書を開くことがなくなっても、絶対に聖書は捨てないでね、辛いことや、困ったことがあった時には聖書を開けてご覧なさい、必ずあなたの役に立つ言葉が見つかるはずです」というものでした。まさに阪口さんはその言葉を実体験することとなったのです。阪口さんは実体験を通して、「皆さんも、聖書を人生の友としてはどうでしょうか、クリスマスの時などはもちろん、落ち込んでしまったり、困りごとがあったときなど必ず皆さんの支えになってくれますよ」 と語りました。来週からはアドベント(待降節)を迎えます。こんな時季にぴったりで、神様の愛を感じることの出来る、素敵なお話でした。