10/10(火) 「キリスト教文化週間 特別チャペル」

投稿日:2023.10.12  チャペル・アワー

聖書の箇所:新約聖書、マタイによる福音書13章1節~9節

奨励: 「新島短大創立の物語 - 40周年を憶えて」

本日のチャペルアワーは、日本キリスト教団高崎南教会の牧師である原誠先生をお招きしました。原先生は1983年に新島学園短期大学(当時は新島学園女子短期大学)に赴任された、まさに創立のメンバーです。原先生は、新島短大開学40周年にあたり、「過去・現在・未来」に思いをはせてお話をされました。

「過去」については、新島襄が脱藩し、宣教師となって帰国をして、最初に安中で宣教活動をしたことから始まる、多くの先人に支えられた群馬のキリスト教伝道の歴史です。そして、そこから始まる新島学園中学校・高等学校の創立についてのお話しでした。「現在」については、新島学園短期大学設立や、そこからの学びにつながる内容でした。日本の高度経済成長期にもかかわらず、まだ女性の大学進学率は男性よりはるかに低い1970年代末から群馬にも女性のための高等教育期間を作ってほしいという要望がありました。そうした地域の要望に応える精神と能力がある学園として新島学園が挙げられ、新島学園は高崎市の協力と共に、女子短期大学を開学する運びになりました。とりわけ、初代学長の岩井文男先生や、第2代学長の高道基先生など、短大開学にお働きのあった方々の氏名を紹介されました。原先生自身は、新島短大での11年間の在勤後には、同志社大学神学部で26年間お働きになっています。両大学時代を通して、タイへのスタディーツアーを実施し、300人を越える学生をタイを通して学びを得る機会へと導いたそうです。特に、タイのパヤップ神学校で宣教師として活動していた望月賢一郎先生との出会いと学びが大切でした。キリスト教の宣教は、上からの目線でキリスト教を教えてあげるのではない。現場で本当に必要とされていることを、現地の人と一緒に悩みながら探し、その問題に取り組み、最終的には、現地の人々自らが作り上げることこそが宣教の要であることを望月先生の活動が物語っていたのだと語りました。新短での働きは、原先生本人の人生にも大きな学びを得、重要な転換となる契機だったそうです。「未来」については、これからを生きるためには、三つの視点を持つ事が重要だと語りました。一つは自分自身のアイデンティティをしっかり持つことで、日本人であるならば日本人であることをしっかりと意識した視点を持つこと。二つ目は、歴史的に日本の文化と社会に影響を与えた、欧米の文化を通してものを見る視点を持つこと。三つ目として、アジア各国の置かれた状況をよく考え、その場に応じてものを見る視点を持つ、ということだと語りました。

新島短大は改組転換を経て、今は二つの学科を備えた短期大学です。しかし、どんな時代になっても、キリスト教的価値観での学びを求める事は変わりません。本日読んだ聖書箇所は、 「種を蒔く人」のたとえの説明 でした。短期大学の学びは二年間です。ここでの二年間を過ごした後、皆さんがどのような種を実らせるのかが重要です。新島学園を開学しようと突き動かされた、多くの先人に支えられた良い土地がここにはあります。イエス・キリストにならった生活を心がけ、人に仕える働きのできる人物に成長することを願っています。と結ばれました。新島学園短期大学開学40周年の今年、キリスト教文化週間の特別チャペルとして、ふさわしいお話しでした。