6月6日(火)「チャペル・アワー」を行いました。

投稿日:2023.06.07  チャペル・アワー

聖書箇所:『新約聖書、マルコによる福音書10章13~16節』


本日の奨励者は、本学のコミュニティ子ども学科、准教授の草間吉夫先生でした。草間先生の研究の専門分野は【児童福祉、社会的養護、社会的養護児の自立支援】です。本日は、8枚のスライドを利用したプレゼンテーション形式で『誰ひとり取り残さない』と題して、「子どもの貧困」について語ってくださいました。
貧困は、見た目では分かりにくいという特徴があります。また、貧困には絶対的貧困と相対的貧困の考え方があり、日本は先進国の中で、相対的な貧困率が高いと言われています。特に子どもの貧困に関してはOECDの平均を下回っています。「貧困」が社会に及ぼす影響は大きく、地域の安全が脅かされるなど社会不安を増大させます。平穏かつ安定した社会維持のためにも、こうした貧困の連鎖を止めなければなりません。
草間先生は、ご自身の今までの数多くの研究や豊かな人生経験から、『就学前児童への教育を充実させることの重要性と有効性』を強調しています。特にこのような、言わば「子どもへの投資」は、「公共事業以上に社会に有益でその効果は大きい」と力強く語りました。実際に、様々なデーターから就学前児童への教育の実践は、子どもに社会性や生きる意欲を育み、コミュニケーション能力を向上させるなど様々な効果が実証されているのだそうです。最終のスライドには チャンスが広がる →  夢が育つ と大書されていました。
子どもの貧困への支援は、社会の役割としては効果が高く、誰にとっても有益で全方位的な取り組みであることがよく理解できました。誰もが今すぐ始められ極めて実践的な取り組みです。子ども食堂の開設や、子どもの居場所づくりなど全国各所で様々な取り組みがなされています。『誰ひとりとして取り残さない支援』、誰もがそうした活動に興味を持てる、素晴らしい機会となりました。