2025年5月20日(火)「学生チャペル」
投稿日:2025.05.21
聖書『新約聖書、ローマの信徒への手紙4章5節』【しかし、不敬虔な者を義とされる方を信じる人は、働きがなくても、その信仰が義と認められます。】
今年度初めての「学生チャペル」です。学生チャペルは、聖歌隊の皆さんはもちろん、司式、奏楽、奨励、祈祷など、チャペルのほとんどの役割を学生代表が担当して実施されています。今回の奨励者は、コミュニティ子ども学科の山岸うみさんと、キャリアデザイン学科の町田涼花さんでした。お二人とも、今までの生活を振り返り、新島短大での学びを通して感じた自身の成長を、赤裸々に語ってくださいました。現実世界のさまざまな悩みや葛藤にぶつかりながらも、自らの夢を信じ、そこに向かって努力を続ける決意を感じさせてくれました。初夏を感じる爽やかな五月の日に、ここ新木造校舎二階『新島の森』は、夢の実現に向かおうとする決意でいっぱいになりました。聞く人すべてが勇気づけられる、豊かなチャペルになりました。
「私が保育士をめざした理由(わけ)」
コミュニティ子ども学科2年 山岸うみ
私は岐阜県の高山市で生まれ、そこで育ちました。群馬には三年前に引っ越してきました。現在でも月に一度は、車で4時間半程かけて実家に帰ります、高山市に住んでいる長女に会うためです。実は、昨日も岐阜に行っていて、帰ってきたばかりです。今は高崎で、小学校一年生に上がった長男と、年中さんの次男と一緒に、毎日慌ただしく生活しています。最近では実習の準備もあったり、毎日本当に忙しく過ごしていました。この原稿もかなりギリギリになって、やっと仕上がりました。本日は、そんな私が保育士を目指してこの学校に入ったキッカケなどを話したいと思います。
私が保育士を目指すキッカケは、出身の保育園と父の影響が大きいと思います。私本人の出身となる保育園は高山市にある「たんぽぽ保育園」と言います。少人数保育で全園児に目が行き届くことを大切にしています。いわゆる異年齢保育を取り入れており、遊ぶ時には全学年の園児が一緒に遊ぶようなアットホームな保育園でした。皆が家族みたいに本当に仲が良くて、違う学年でも互いに友達の名前が呼び合えたり、友達の弟や妹が入園すれば、自分の本当の兄弟のように可愛がるのが当たり前の雰囲気でした。そのため、卒園児も当然、みんなが園のことが大好きでした。小学校や中学校に上がっても、時々遊びに行ったりしますし、行事には誰が呼んだ訳でもないのに沢山集まったりします。運動会のプログラムにも、あらかじめOB・OGの競技が組み込まれていたり、卒園児が保育士として就職していたりと、とにかくいつまでも関わり続けてくれている、まさに「第二の実家のような保育園」なのです。
かくいう私も園が大好きでした。飛騨高山に住んでいた時には、当たり前に自分の子どもたちをその園に入れていましたし、いまだに唐突に遊びに行ったりもします。そういう時も先生方は「あれ、うみちゃん、元気にしとった〜!」とあまっていたおやつをくれたりと、歓迎してくれます。親同士の繋がりも深いため、皆が親戚のような存在です。私の父も、私をその園に私を入れただけあって、そういう地域のつながりが大好きで、一般的に見ると少し独特なのかもしれません。父は農業をやる傍ら、自分個人で子ども食堂のような取り組みをしていました。休日に近所の子ども達に自分で作ったご飯をふるまったり、小学校には絵本の読み聞かせに行ったりしていました。私もそうした環境の中で、自分が小中学生の頃から年下の子ども達と一緒に遊んだりすることが当たり前で、大好きでした。実は今、父は3回ほどガンになりご飯をふるまったりすることはしなくなりましたが、今でも小学校に読み聞かせに行き、子ども達と交流をしています。私もそんな環境で育ったせいか、漠然と保育士に憧れはありました。しかし、色々あって別の道に進み、社会人として働いていました。その時の先輩に元保育士の方がいました。話を聞いたところ委託訓練生の制度を利用し大人になってから保育者資格を取ったというのです。「大人になってからでも保育者資格を目指せるなら私もやってみたい」と感じ、説明を聞きに行ったのです。
何ヶ所か委託訓練先の学校を見る中で、新島学園短大は先生方と学生の心の距離も近く、親身になってくれるところがとても気に入りました。そして、自分のなりたいと思った保育者のイメージと、最も近かったので、委託訓練生として入学を決めました。今年は就活もしなくてはいけないため、考えたりやらなければならない事は多いです。しかし、少しでも、自分が目指したいと思う。「家族のように子ども達の心を育んでくれる」そんな園に恵まれ、理想とする保育士をめざしつつ、業務にたずさわって行きたいと考えています。ご静聴ありがとうございました。
「チャペルで学んだ事」
キャリアデザイン学科2年 町田涼花
今回は、私がチャペルに出席して学んだことを二つお話していこうと思います。よろしく お願いします。初めにこのチャペルについてです。新島学園短期大学は、キリスト教主義学校で、毎週火曜日のこの時間に学内でチャペルを守るときを持っています。讃美歌を歌い、聖書を読むなど、普段ではすることのないことができます。そして奨励では、授業では聞くことのできないお話を聞くことができます。新島学園短期大学では開学以来大切にしている取り組みです。昨年度は、ビブリオホール三階の礼拝室で行っていましたが、今年度からは新木造校舎の二階、「新島の森」で行っています。
私がチャペルに出席をして学んだことの一つ目です。それは奨励を聞くことによって得られた「考え方」や「気づき」です。この一年間でたくさんの方が奨励者としてお話をしてくださいました。すべての奨励から学びがあり、本当は一つ一つ全てを紹介していきたいのですが、今日は時間が限られるため、その中でも特に印象に残ったお話を紹介していきたいと思います。それは昨年の11月12日の「いのちのチャペル」でお越しいただいた、群馬ダルクさんの平山さんと福島さんによる薬物依存についてお話です。私は今まで小・中・高校と薬物依存防止の授業を受けたことはありました。それは、学校の先生や地域のボランティアの方から薬物の危険性についてのお話を聞き、ビデオなどを見る授業でした。そんなことを思い出し、そのチャペルの話も同じような感じだろうかと思っていました。しかしそのチャペルでは元薬物依存症患者の方ご本人が話をしてくださったのです。ただ単に薬物は危険だというだけではなく、「なぜ依存症になってしまうのか」、とか「なぜ抜け出しにくいのか」ということを、より心情的に語ってくださいました。経験者のお話を生で聞き、薬物依存は薬だけの恐ろしさではなく、本当に怖いものだと改めて認識することができました。機会があれば、もう一度聞いておきたいと思っています。今年もお越しいただけたら嬉しいなと思っているほどです。
続いて、私がチャペルに出席して学んだことの二つ目です。それは奨励者のお話の仕方 を、直接見て学べたということです。私は今年の二月に「高崎市内私立大学・短期大学連携事例発表会」へ参加をしました。本学の「わかちあいカフェ」についての発表をさせていただきました。私は大勢の方の前でプレゼンテーションをすることは初めてでした。そのため、この一年間実際に見させていただいた奨励者が話すスピードや、言葉のタイミングなどから、聴衆が聞きやすい話し方はどのようなものなのかを考えました。そして、それをプレゼンテーションに活かそうと考え、工夫をしました。
最後になりますが、この一年間のチャペルで、学外講演者の方や学内の先生方、キャリアセンターの方や本日の「学生チャペル」のように学生の方々の貴重なお話を聞かせていただくことができました。今年度もたくさんのお話を聞かせていただけることを楽しみにしております。そして私は二年生なので学校生活があと一年もありません。チャペルは春学期、秋学期合わせてあと25回くらいになります。そのチャペルでもさまざまな「学び」を得たいと思います。そして、さまざまなチャペルの時間をみなさんと共有して行きたいと思っております。これからも多くの学生の皆さんがチャペルに参加していただけると嬉しいです。 今日は私のお話を聞いていただき、ありがとうございました。