10月 1日(火)『チャペル・アワー』
投稿日:2024.10.02
聖書箇所:『新約聖書、ルカによる福音書8章26~35節』
ここには 【悪霊に取りつかれたゲラサの人を癒やす】 という小題がついています。イエスがおこした奇跡の一つで、たくさんの悪霊に取りつかれた男を癒やしたことが書かれています。
宗教主任の臂先生による奨励は【「その名はレギオン」】と題されたものでした。今回のお話しには、イエスが活躍した時代の、ガリラヤ地方の土地の名称が多く出ています。ゲラサは、ガリラヤ湖の東側に位置しており、異教徒の地です。その男は、衣服もつけず、家も無く、墓場で暮らしていました。「レギオン」とは、古代ローマの大軍隊、6千人部隊をあらわす「レギオ」という言葉がその語源と言われています。つまり、それだけ数多くの悪霊に取りつかれていたことをあらわしていたのでしょう。イエスは、取りついている悪霊たちに、その男から出て行くように命じます。すると、悪霊は次々とその男から出ていきました。その結果、その男は、正気に戻り、衣服を着るようになるのです。
臂先生は、その聖書の話しを例に挙げ、現代社会の問題になぞらえて以下のように語りました。『私たちは辛いことや嫌なことがあったり、仕事や雑事に追い回されすぎると、心を乱して我を忘れ、身の周りのことに無関心になってしまうことがあります。それはまさに、本日の聖書箇所の内容と似ているのではないでしょうか。現代社会に生きる私たちも、もしかしたらその男のように、心を失ってしまうことがあるかも知れません。しかし、その男は、イエスの力によって悪霊が出て行った後には、正気に戻りました。私たちも、自らの心を失わないために、時には自分自身を見つめ直し、心静かにじっくりと物事を考える時間が必要なのではないでしょうか。チャペル・アワーとは、まさにそうした、神様の前で自分自身のことを考える時間でもあるのです。現代社会を生き抜く時には、さまざまな出来事が起こります。ささいなことで心と体のバランスを崩して、思い悩むことがあるかも知れません。良い意味で、チャペル・アワーを有効に利用して欲しいです。』
臂先生の奨励はいつも、聖書のお話しを具体的に説明し、わかりやすく解説してくださいます。本日も、聖書の巻末にある聖書地図や、プレゼンテーションソフトのスライドを用いて、視覚的にもとらえやすく、理解しやすいお話になりました。今日は10月1日、秋学期が始まり半月が過ぎようとしています。新学期の流れが出来つつも、夏の疲れが出てくる頃です。聴く人すべての心に寄り添い、勇気づけてくれるような優しいお話しでした。臂先生ありがとうございました。