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2026年05月01日
チャペル

【実施報告】4/28(火)「学園創立記念チャペル」

奨励者:湯浅 康毅 先生(学校法人新島学園理事長兼学園長)
聖書箇所:新約聖書、エフェソの信徒への手紙14-16節a
題:【 ものづくり=ひとづくり? 】

2026年4月28日、本学において「学園創立記念チャペル」が行われました。この日は、学校法人新島学園理事長兼学園長の湯浅康毅氏をお迎えし、「ものづくり=ひとづくり?」をテーマに奨励が語られました。1947年の新島学園中学校第1回入学式、また1983年の新島学園女子短期大学(当時)第1回入学式でも歌われた旧讃美歌90番を歌い、学園の原点を想起するひとときとなりました。湯浅理事長は、自身が学園の運営に携わる一方で、老舗醤油醸造元「有田屋」の当主でもある立場から、学校教育とものづくりの共通点について語られました。

 

【 醤油づくりは、「仕込み・発酵・熟成」という工程を経て、長い時間をかけて完成します。そこでは人がすべてをコントロールするのではなく、目に見えない微生物の働きを信じ、環境を整え、必要以上に手を加えずに「待つ」ことがとても大切にされています。そして、これらの営みは人の成長と深く重なっていると思います。

醸造所の蔵には、創業の地、安中の気候、水や空気などが190年余りをかけて育んできた「蔵についた菌・微生物」が住んでいます。私たちは、原材料を選び、その材料がその「目に見えない微生物の力」を借りて、材料が醤油に変わってゆくのを待つのです。その時には必要な作業だけをこなし、余分な力は加えないのです。教育に例えるなら、人もまた、すぐに完成するものではなく、時間の中で育まれていく存在です。学びや出会い、悩みや経験を通して、内側から少しずつ変化し、成長していきます。つまり、ここで学ぶ皆さんは、選ばれし育まれる存在なのです。この地域の気候、水、空気、に囲まれ、キリスト教主義教育に育まれた雰囲気の中、「神の見えざる手の導き」によって、自らがゆっくりと時間をかけて育ってゆくのです。

じっくりと時間をかけて熟成された醤油は複雑であり、豊かなまろやかな味になります。ものづくりに完成がないように、人の成長にも終わりはありません。日々の小さな選択と積み重ねが人格を形づくっていきます。本学が目指すのは、一人ひとりの個性を受け止め、互いに認め合いながら成長していく学びの場です。】

 

『有田屋』の蔵に長年育まれてきた空気や環境が、醸造を支えているように、新島学園にもまた、人を育てる「空気」があることが語られました。安心して学び、挑戦し、互いを尊重し合う環境の中で、人は自らの可能性を広げていきます。さらに、創立の原点にある安中教会と、新島襄の精神にも触れながら、 

[良心を力として生きること]

[自ら考え誠実に歩むこと]

[社会と世界、そして神に仕えること]

という、新島学園の教育の根幹が改めて示されました。講話の中で特に印象的だったのは、

【今はまだ完成していなくてよい。むしろその途中にあることに意味がある】というメッセージでした。

新島襄先生に導かれ、1878年日本人だけで設立した日本で初めての教会、安中教会が生まれました。その安中教会から1947年に新島学園が生まれました。そして36年後の1983年に新島学園女子短期大学(当時)が生まれました。それだけ時間をかけて新島学園は成長してきました。しかし、その系譜は紛れもない一本の線でつながっています。今回の奨励は、その原点を改めて見つめる機会となりました。湯浅理事長、貴重なお話をありがとうございました。

有田屋 』は天保三年(1832年)の創業以来、上州安中で醤油の醸造に携わっています。今年で創業195年になります。和歌山県に、有田郡湯浅町というところがあります。この地は「醬油醸造の発祥の地」として知られています。なぜ和歌山と遠く離れた群馬で醤油を造る事になったのか詳細は分かりません。有田郡湯浅町と関係はあると思いますが、『有田屋』を名乗る醤油醸造元は日本に一軒しかないのだそうです。

 

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