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2025年12月23日
チャペル

【実施報告】12/16(火)アドベントチャペルⅢ

奨励者:「紙芝居のたね」所属 岡部 千尋 先生
奨励題:「紙芝居上演と奨励」
聖書箇所:『新約聖書 ルカによる福音書 2章15節』

12/16(火)、『アドベントチャペルⅢ』

本日は、岡部千尋先生をお招きしました。岡部先生は紙芝居専門の研究者でもあります。「紙芝居のたね」という団体に所属され、群馬県内はもとより全国各地で精力的に上演活動もなさっています。本日は、紙芝居の成り立ちや歴史、時代ごとのスタイルの違いなども、年代に沿って詳しく解説してくださいました。

 紙芝居は、物語ごとに複数描かれた画面の用紙を一組に重ね、語り手がその絵を一枚ずつ出して見せ、話をしながら進める芝居的芸能です。世界に類を見ない日本独自の芸能だと言われています。広く世間で親しまれるようになるのは、娯楽の少なかった時代からです。飴などの菓子の販売と共に街頭で手軽に楽しめる興行として発展して行ったのです。特に一話でストーリーが完結しないものは、続きの話が気になって次回も見ようとすることで、大流行となって行ったのだそうです。そうした流れを受けて、小さかった紙芝居の画面の紙やそれを上演する舞台も徐々に大型化し、内容も派手で活劇的なものが特に人気になって行ったのです。

そうした紙芝居の持つ視覚・聴覚的に訴えるエンターテインメント性を、教育に生かせると考えた人物がいます。今井よね先生は東京女子高等師範学校を卒業後に渡米し、カリフォルニア大学で「神学」を学んだ教育者です。キリスト教的内容の紙芝居を数多く考案し、作成した人物としても知られています。クリスチャンでもあった今井先生は、紙芝居を伝道活動に用いることを思いつきました。ともすれば難しく考えがちな宗教的内容や聖書の物語などについて、絵と語りを用いて分かりやすく解説をしていったのでした。

岡部先生が、そうした今井よね先生の功績や実践を評して、「紙芝居とキリスト教伝道とは切っても切れない関係にある」と強く語っておられたことは、大変印象に残りました。多くのキリスト教学校では、クリスマスの時季にイエス・キリスト降誕劇のページェントを実施します。多くの場合はストーリーテラーが話の流れを語りながら進める『無言劇』のスタイルです。舞台の規模は違っても、そこに集う会衆に効果的に何かを伝えようとする点などは、紙芝居も同様なスタイルであることが容易に理解できます。ましてや、大人だけでなく子どもにも何かを伝えることが出来る点で、紙芝居は非常にすぐれた手段であったと考えられます。本日の資料としてお配りいただいた「宗教紙芝居-教育紙芝居の始発-」のプリントには「クリスマス物語」や「ノアの箱舟」、「善き羊飼い」など定番の聖書の物語の紙芝居作品が紹介されていました。さらに、学園名に【新島】の名前をいただいている私たちにとって、「新島襄」の紙芝居作品が紹介されていることは、本当に喜ばしい出来事でした。

最後には、実際に紙芝居を一幕上演してくださいました。複数の登場人物はそれぞれ声色を変えます、画面をめくるタイミングやその入れ替えの速さなど実によく工夫が凝らされ、技術の高さがうかがえます。紙芝居舞台の限られた空間の中に思わず引き込まれてしまいました。会衆が想像力を働かせながら視聴することで、より内面的に深みのある世界が繰り広げられていることを感じました。先ほど【世界に類を見ない日本独自の芸能だ】と記しましたがまさにその通り、能や人形浄瑠璃、などにも似た伝統芸能だと感じました。本日のチャペルアワーは大変興味深く心に残る時間となりました。岡部先生、本日は素晴らしい奨励をありがとうございました。

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