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2026年01月20日
チャペル

【実施報告】1/20(火)「新島襄召天記念礼拝」

奨励者:金井 敏先生(元高崎健康福祉大学 教授)
奨励題:「人ひとりは大切~新島襄が残した福祉の礎」
聖書箇所:『新約聖書 ヨハネによる福音書3章16節』

本日は、新島襄召天記念礼拝です。元高崎健康福祉大学教授の金井敏先生をお招きしました。金井先生は、群馬県における、社会福祉のスペシャリストにして第一人者です。現在も社会福祉士として地域福祉関連の幅広い分野でご活躍です。奨励題は「人ひとりは大切~新島襄が残した福祉の礎」というものでした。新島襄の功績と、その教えを受けた日本の社会事業の先駆者を、スライドを利用しながら解説してくださいました。

石井十次は、「児童福祉の父」と言われる孤児救済の先駆者です。キリスト教精神に深く触れ、医者になる者は自分の他にもいるが、孤児救済は自分にしかできない、と福祉の道へ進みました。「孤児の父となるよりは、孤児の友とならん」と、岡山孤児院を創設。「無制限収容」を掲げ、多い時には1200名の孤児を受け入れていたそうです。

留岡幸助は、非行少年を育て直す感化事業、監獄改良の先駆者です。同志社で新島から直接教えを受け、特に「良心」の重要性を解かれました。「悪い子というものはない。悪い環境があるだけだ」と、教誨師となりました。監獄の改善を訴えるとともに、罪を犯した人々や、環境に恵まれない子どもたちの更生に一生を捧げました。

山室軍平は日本における救世軍の創設者で、初代士官(牧師)です。救世軍は英国発祥で、特に貧困者層に向けた伝道や社会奉仕活動が有名です。禁酒運動や廃娼運動を推進しています。「平民の福音」を掲げ、一般庶民の目線に合ったキリスト教の福音を広めました。

賀川豊彦は、新島襄の直接の教え子ではありません。しかし、新島が築いた同志社の自由でキリスト教的な学風に強く感化されました。「新島の精神的後継者」として、世界的に広く知られた社会活動家です。神戸の貧民街に身を投じ、救済活動を展開しています。また、「一人は万人のために、万人は一人のために」と、労働組合や農民組合の組織化、消費生活協同組合の設立など、経済的に弱者を支える仕組みを作りました。

新島襄は我々の住む群馬県においては、上毛かるたに出てくる偉人「平和の使徒(つかい)新島襄」として知られる、明治の教育者・宗教家です。しかし、金井先生は、『今まで紹介した4名の先駆者をそれぞれの活動に駆り立てたのは新島襄の存在であった、新島こそは日本の社会福祉を支えるための【精神的インフラ】を築いた人物なのである』と語りました。新島襄が使用し、残っている言葉に、「良心の全身に充満したる丈夫の起こり来たらんことを」、「人一人は大切なり」、「深山大沢」、「倜儻不羈」、などがあります。これらには【すべての人に平等に福音は延べ伝えられる、誰一人として取りこぼしてはならないのだ】という、きわめて強い使命感が感じられます。1931年、日本で初めて社会福祉を学ぶ社会事業専攻が同志社大学神学部に誕生しています。こうした取り組みや活動は、まさに新島襄が掲げた「キリスト教主義教育、良心教育」がその源流なのだと強く感じられました。最後に金井先生は、「皆さんそれぞれの人が持つ、知識や能力を、誰のために使いますか?」と語りかけて、奨励を終えました。

本日語られた先駆者たちが創設にかかわり、現代でも活動を続けている福祉施設は今では全国で数千を越えています。そして、それぞれの社会福祉のインフラとして活動を続けています。金井先生の同志社大学での卒業論文のテーマは「ボランティア論~その自由と創造性の確保のために」だったそうです。金井先生も新島襄を源流とする社会福祉の先駆者、実践者のお一人なのだと強く感じました。本日は、大変貴重なお話をありがとうございました。

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