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2025年07月04日
チャペル

【実施報告】7/1(火)「チャペル・アワー」

奨励者:松谷信司さん(キリスト新聞社 代表取締役社長)

聖書:『新約聖書、コリントの信徒への手紙二 12章7~10節』

 

本日のチャペル奨励者にはキリスト新聞社代表取締役社長である松谷信司さんをお招きしました。松谷さんは昨年の10月のキリスト教文化週間にもお招きしました。その時の奨励題は「推しが尊くて生きるのがツラい」でした。そこでは、信仰は飽きることのない「推し活」のようなものだと語りました。例えば「聖地巡礼」とは、そもそもは宗教における聖地を信仰のために訪れる行為のことです。昨今では、それになぞらえて、自分の好きな俳優やアイドルなどに関連する場所に行ってみることなどに使っています。どちらも、あこがれの対象に、少しでも近づきたいと熱望することからわきおこる感情なのだと解説してくださいました。松谷さんのお話は、とにかく聞き手をイメージした内容であることが印象的です。今回も、新短の学生をターゲットにとらえ、学生が話題にしそうな情報も多く、親しみやすい語り口で話してくださいました。

今回は主に賛美歌を例に挙げて、解説しました。賛美歌451番「くすしきみ恵み」は讃美歌第二編や、新聖歌、新生讃美歌など、日本だけでも多くの賛美歌や聖歌に歌い継がれている名曲です。原曲は、「AMAZING GRACE アメージング・グレース」として世界的に広く愛されています。この曲を作詞したジョン・ニュートンは、船乗りであり奴隷商人でした。ある日、暴風のなか奇跡的に遭難をのがれるという経験をしました。その時の体験から、回心し牧師となりました。その後、奴隷貿易の廃止運動にかかわり、政治家のウイリアム・ウイルバーフォースらと力を合わせ、ついに1807年、英国国会法で奴隷貿易の廃止に導いたといわれています。

かつては奴隷商人だった人物が、牧師となり奴隷制度の廃止を訴えるというのは、今流に言えば、まさに「黒歴史からの脱却」でしょう。私たち人間は、どんな人物であれ、失敗をしたり罪を犯すことがあります。生きていくことは、反省や後悔の連続です。神の子イエス・キリストでさえ磔にされた時には、行動を共にしていた弟子たち全員が、イエスを見捨てて逃げて行ってしまいました。神の子としてすべてを見通していたとはいえ、非常につらい「黒歴史」な経験です。しかし、それに耐え十字架上の死に打ち勝ち、三日目の復活へとつながっていったと聖書は語っています。

本日の聖書箇所は、コリントの信徒への手紙二 12章7~10節でした。【また、あまりに多くの啓示を受けたため、それで思い上がることのないようにと、私の体に一つの棘が与えられました。それは、思い上がらないように、私を打つために、サタンから送られた使いです。この使いについて、離れ去らせてくださるように、私は三度主に願いました。ところが主は、「私の恵みはあなたに十分である。力は弱さの中で完全に現れるのだ」と言われました。だから、キリストの力が私に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。】

最後に、有名人の語るキリスト教主義学校で学んだ体験や、自身がクリスチャンであることを語った話を紹介してくださいました。そのどれもが、自らが辛かった時に支えとなったことや、自らの弱い部分に気づいた時の心情を語ったものでした。皆さんも、自らの罪に気づかされたり、あまりにも辛いことに出会い、何かにすがらなければ歩んでいけないような時が来るかもしれません。そんなときにこそ、人類最大の「推し」、つまりイエス・キリストの存在や言動を心の支えとして、明日への活力や生きる希望を生み出す原動力としてください、と語りました。前回に引き続き、比喩が適切で学生にも分かりやすく、なおかつ示唆に富み内容の深い、得難い奨励となりました。松谷さんどうもありがとうございました。

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