9月24日(火)『始業チャペル』

投稿日:2024.09.25  チャペル・アワー

秋学期第1回のチャペルアワーを「始業チャペル」として実施いたしました。

 聖書は『新約聖書、ルカによる福音書6章31節と、マタイによる福音書7章12節』の2箇所でした。岩田雅明学長による奨励は、「親切は体にもいい」と題されたものでした。

 他者に親切に接することが良いことだと分かっていても、行動に移すことは難しいものです。それは、他者より自分を優先したり、他者と関わりあいになること避けている、など多くの要因が考えられます。しかし、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学の学者が実施した社会実験では、他者のために時間やお金、労力を使ったときが最も幸せを感じる度合いが高かったといいます。医学や脳科学の分野でも、他者に親切にすることで、脳内にオキシトシンやセロトニンなどの快感物質が分泌され、自己肯定感が高まるなど、体にも良い変化が現れることが実証されています。最近では、体にさまざまな害を及ぼすというフリーラジカル(活性酸素)を減少させる効果もあると言われています。これほどの効果が見込めるのなら、実践しない手はありません。

 他者に親切にするには、何よりも自分自身が優しい気持ちを持つことが重要です。岩田学長は、そのための心がけとして、ある行動を紹介しました。それは、一日の終わりにノートに書き記すというものでした。まずは、他者からしてもらった行為などに対する感謝を三つ探して書き記す。二つ目は、どんな小さなことでも自分の進歩を感じられたものを三つ探して書き記す。三つ目としては、今日、実践することの出来た誰かへの「親切」を一つ書き記すことです。ほんのさりげない行為であった場合には、書き記しておかないと忘れ去られてしまいます。しかし、こうした自分が誰かからいただいたり、どなたかに与えたりした行為を、何かに書き記すことで、記憶だけでなく記録にも残るのです。そして、自分は多くの人に支えられて生きているということを知る事が出来ます。さらに、少しずつであっても、自身の進歩が感じられます。最終的に、「親切」な行為は実感として感じられ、心と体に大きな変化となって現れるのです。

 聖書のはじまりには、神様が塵を固めて人をかたちづくり、鼻から命の息を吹き込んで人は生きるものとなったと書いてあります。これらは、神話的でおとぎ話のようなものだと考えがちです。しかし、近年の宇宙科学の分野では、宇宙空間に存在する塵と、人体を構成する物質とは、かなりの共通点がある事が分かってきています。新島学園短期大学はキリスト教主義を教育の根幹に据えています。聖書には、他者に向けた親切の話は多く書かれています。新島学園が多くの親切心にあふれた学園で、全員が心豊かで健やかな学園になることを期待します。と締めくくられました。

 夏休みが終わり、新島学園短期大学には賑わいが戻ってまいりました。新たな学期の始まりとして、学生一人ひとりへの優しさを込めつつ、そっと背中を押してくださるような素敵な奨励でした。